日付:2009/03/24 カテゴリ[摂食嚥下・栄養管理] 閲覧数[9782]
胃ろうの周囲が赤く腫れる、栄養剤が漏れるなど、PEGにはいろいろな合併症があります。
PEGとはどういうものなのか、その仕組みや特徴を理解しておくと、合併症の予防に役立ちます。
「PEG」とは「Percutaneous Endoscopic Gastrostomy」の頭文字をとった 言葉で、日本語では「経皮内視鏡的胃ろう造設術」と訳します。つまり内視鏡を使ってお腹に穴を開ける手術がPEG、PEG手術後に形成される外部と胃を直接つなぐトンネルが胃ろうです。 ただし一般には、「PEGを使っている」、「今度、PEGにする」というふうに、胃ろうそのものや胃ろうを使っている状態などを広く表すものとして、「PEG」という言葉が使われています。 胃ろうは腹壁と胃壁を貫通し、専用の管が通され、外側と内側のストッパーで固定されています。この管とストッパー一式をPEGカテーテルといいます。中には胃ろうから腸まで管を通し、ガスを排出するために使う場合などもありますが、ここでは胃に栄養剤を入れるための新しい“口”としての胃ろうに絞って解説します。
PEGには外側にチューブがあるものとないものがあります。内部ストッパーも2種類あって、その組み合わせによって4種類のPEGが存在します。
それぞれの利点と注意点を理解しておくことは、高齢者ケアにかかわるうえではとても大切です。定期的な交換が必要であるほか、トラブルが起こる可能性もあるので、下記については、事前に必ず確認しておきましょう。 ・ 自分の担当している利用者さんがどんなPEGを使っているのか
・ PEGに関するトラブルが起こったときに主治医がどの程度対応してくれるか
・ 定期的な交換を医療機関で行うのか、あるいは在宅で行うことが可能なのか

半固形タイプの栄養剤を使用する場合、どのタイプのPEGカテーテルを使用しているのか把握しておく必要があります。また、粘度の高い製品の場合は力が必要であるため、介護者が投与できないこともあるので 注意が必要です。寒天を利用した「固形化経腸栄養剤」は、チューブ内への付着が少ないため注入が容易であるというメリットがあります。それでも16Fr(フレンチ)以上の太さが理想的です。
PEGは手術直後でろう孔※が完成する前(前期)から、また、ろう孔が完成した以後(後期)にわたり、さまざまな合併症を起こす可能性があります。ケアマネジャーやケアスタッフが注意したいのは、ろう孔が完成した後の後期合併症で、栄養剤リーク(漏れ)、嘔吐や下痢、皮膚の炎症などがあります。 胃ろうを使っている高齢者は基本的に身体が弱っており、痛みや苦痛を訴える力が十分でない人がほとんどです。周りにいる人が気をつけていてあげまることが大事です。合併症には、管理の仕方の工夫や「固形化経腸栄 養剤」の使用で予防できる場合も多くあります。 異変に気づいた場合は早めに医師や看護師に相談しましょう。医学的に原因を突き止めることは、再発を防ぐためにも重要です。
※「ろう孔」とは、身体内にできたトンネルのこと
漏れの原因がバンパー埋没症候群などによるものではないかを鑑別診断する。
瘻孔自然拡張による漏れの場合は、「固形化経腸栄養剤」に替える、チューブの角度をなるべくお腹に垂直に保つ(こより状ティッシュペーパー※1が便利) [イラストに戻る↑]
ストッパーを締めつけすぎない、ガーゼを使用しない、消毒をしない、チューブ挿入部にこより状のティッシュペーパー※1を巻く [イラストに戻る↑]
胃内ストッパーから突起の長いカテーテル(尿道用バルーンなど)は使用しない [イラストに戻る↑]
ストッパーを締めつけすぎない※2 [イラストに戻る↑]
チューブ内に10倍に薄めた酢水を入れて管理する(酢水の使い方はPDFで)、粘性が少なく詰まりにくい「固形化経腸栄養剤」に替える [イラストに戻る↑]
風邪など何らかの疾患によるものではないか鑑別診断する。特に疾患がない場合は、栄養剤をゆっくり注入する、
栄養剤の温度を適正にする、体位を変える、「固形化経腸栄養剤」に替える [イラストに戻る↑]
※1 こより状にしたティッシュペーパーをチューブ挿入部に巻くと、
チューブの角度が垂直に近くなるうえ、皮膚の圧迫や乾燥を予防できます。
濡れたまま放置せず頻繁に交換するのがポイントです。
※2 ストッパーと皮膚の間は指本ほどの余裕が必要です。
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PEGは内視鏡下で行われます。その手技は簡単で手術を受ける人の負担も少ないことから、高齢者にも広く行えるようになりました。しかし、簡便な手技であるからといって、その対象はリスクの高い高齢者であり、術後の合併症が起こることはまれではありません。 |
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