日付:2013/10/09  カテゴリ[ちょっと休憩]  閲覧数[569]

JAXAなど、かみのけ座銀河団の中に高温ガスの巨大な「腕」を発見

マックス・プランク研究所のジェレミー・サンダース(Jeremy Sanders)博士やJAXAインターナショナルトップヤングフェローのオーロラ・シミオネスク(Aurora Simionescu)博士らの研究チームは、アメリカ航空宇宙局(NASA)のチャンドラX線観測衛星と欧州宇宙機関(ESA)のXMMニュートン衛星を用いて、かみのけ座銀河団の中に、高温ガスの巨大な「腕」を多数発見した。


一つの銀河団の中に、このように長い高温ガスの腕が、しかも多数発見されたのは初めて。少なくとも50万光年の長さを持つこれらの腕は、かみのけ座銀河団がどのように小さな銀河群や銀河団との衝突を経て、宇宙で最も巨大な重力的に結びついた構造の一つになったのかを教えてくれるという。

これらの腕は、小さな銀河団がかみのけ座銀河団と衝突するときに、かみのけ座銀河団の高温ガスの向かい風によって銀河からガスがはぎ取られてできたと推測される。これはちょうど、ジェットコースターの乗客の帽子が向かい風で飛ばされてしまうのと同じだ。

二つの腕は、ニュートン衛星のデータから少なくとも150万光年の長さを持つさらに大きな構造と繋がっており、かみのけ座銀河団中心部から200万光年先にある銀河群まで伸びているように見える。ある銀河の後ろには、とても薄い「尾」が見られる。これはおそらく、銀河団や銀河群に加え、一つの銀河からも高温ガスがはぎ取られている証拠である。

高温ガスの腕の広がりや、その中での音速(時速約400万キロメートル)から、この新発見された腕はおよそ3億年前にできたものであろうと推定される。また、ほとんどの理論モデルでは、銀河団同士の衝突が起こると、高温ガスに強い乱流が引き起こされることが予想される。

しかし今回発見された腕は滑らかな形をしており、かみのけ座銀河団が何度も衝突を起こしたにも関わらず、高温ガスが思いのほか穏やかな状態にあるという驚くべき事実を示している。

かみのけ座銀河団内で乱流が弱いのは、銀河団規模の磁場が原因となっていると考えられる。これまでに様々な見積もりがなされてきたが、結果に食い違いがみられるため、他の銀河団をさらに観測していく必要があるとしている。

独立行政法人 宇宙航空研究開発機構


この記事に関するコメントを見る、書く