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日付:2013/11/01  カテゴリ[厚労省・介護保険]  閲覧数[1382]

居宅介護支援事業所の指定権限、平成30年に市町村に移譲 介護保険部会

社会保障審議会 介護保険部会(第51回 10/30)《厚生労働省》

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第51回社会保障審議会介護保険部会資料

厚生労働省は10月30日に、社会保障審議会の「介護保険部会」を開催した。

この日は、予防給付の見直しと地域支援事業の充実、特別養護老人ホームの重点化などについて議論を行った。

◆新しい総合事業の費用は後期高齢者数の伸び(約3~4%)程度に効率化
予防給付の見直しと地域支援事業の充実は、(1)予防給付の見直し(2)地域支援事業の充実(3)介護予防の見直し(4)新しい総合事業の事務負担軽減・費用―の4点がポイントとなる

(1)の予防給付の見直しは、市町村が地域の実情に応じて住民主体を含め多様な主体による柔軟な取組を促し、効果的・効率的にサービス提供をできるよう「地域支援事業」の形式に見直すことを検討している 。

これを踏まえ厚労省は対象者について、要支援者への現行の予防給付を平成27年度から段階的に廃止し29年度に新しい総合事業を実施するスケジュールを示した。なお、既に予防給付サービスを利用している人については、事業移行後も必要に応じて既存のサービス相当のサービスを利用可能とする提案をした 。

事業費は、訪問型・通所型サービスについては、上限単価など全国的なルール下でサービス内容に応じて市町村が単価を設定することを可能とする検討がされている。

また利用料も、サービス内容に応じた利用料を市町村が設定する案が示された。なお、移行後の事業も、介護保険制度内のサービス提供であって、財源構成は変わらないと厚労省は強調している 。

(3)の介護予防の見直しは、要介護状態等に陥ることの予防や要介護状態等の軽減、悪化防止を目的としており、具体策としては、リハビリ専門職等の専門性を生かした介護予防の機能強化と、住民主体の体操教室などの通いの場の創出、高齢者の社会参加を通じた介護予防の推進などが示された。

高齢者の「活動」や「参加」を重視して、生きがい・役割・自己実現の目標をもって生活できるような地域づくりを行うイメージだ 。

こうした見直し案について井上委員(高齢社会をよくする女性の会理事)は、「コミュニケーションの扱いが重要である。高齢者は自慢話や家族への悪口など専門職だから打ち明けられる話があり、肯定的な人生観が自立につながるため、『活動』『参加』の方式で解決するか不安だ」と懸念を示した。

(4)の新しい総合事業の事務負担軽減・費用については、市町村の契約等の事務負担が増えることが予想されている。そこで、都道府県と役割分担をしながら、市町村が主体として事業所を認定等で特定する仕組みを導入することや、審査・支払事務に国保連を活用してはどうかとの提案がなされた 。

ところで、予防給付の給付額の伸びは高齢者数の伸び以上であるため、新しい総合事業の費用は、給付見込額の伸び(約5~6%程度)から要介護認定率の高まる後期高齢者数の伸び(約3~4%)程度を目標に効率化し抑制することを全市町村で推進するとしている 。

一方、地域支援事業費の上限は現在、事業全体で設定しているが見直しに伴い「要支援者に対する事業と新しい介護予防事業」「包括的支援事業」など事業の種類ごとに設け、「要支援者に対する事業と新しい介護予防事業」の上限は、予防給付からの移行分をまかなえるよう引上げるとしている 。

こうした提案について複数の委員からは「給付見込額の伸びを後期高齢者数の伸びにあわせる根拠が明確でない」との意見が相次いだ。

これに対し、厚労省当局は「要介護認定率が高いのは後期高齢者であり、財源をしっかり確保するためである。60歳以上の高齢者の伸びを用いると認定率が低い値のため必要な事業料を確保できない」と説明。また「市町村の不安も大きい部分だが、上限ではなく目標であり、超えた場合の対応等は今後検討する」としている。

◆やむを得ない事情による場合、特例で特養への継続入所認める
特別養護老人ホームの重点化については、重度の要介護状態で特養への入所を希望しても在宅での生活を余儀なくされている高齢者が多数いることを踏まえ、「特養は在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える機能に重点化し、入所を要介護3以上に限定する」提案が改めて示された 。

厚労省は制度見直しに伴い、下記(1)(2)の2つの特例措置を追加提案している 。
(1)既入所者については、現在、軽度(要介護1・2)の要介護状態で入所している場合のみならず、中重度の要介護状態であった人が、制度見直し後に要介護1・2に改善した場合であっても、引続き施設サービスの給付対象として継続入所を可能とする
(2)制度見直し後に、要介護3以上で新たに特養に入所した人が、入所後に要介護度が1・2に改善した場合、やむを得ない事情により特養以外での生活が著しく困難と認めらるときは、引続き特例的に特養への継続入所を認める

厚労省は、やむを得ない事情の例として、「認知症高齢者」「知的障害・精神障害を伴う」「家族によるサポートが期待できない」「家族等による虐待が深刻」などをあげている 。

要介護3以上への限定には委員から賛否両方の意見が出されたが、複数の議員から「やむを得ない事情の特例の検討を歓迎する」と評価する声があがった。

ただし小林委員(全国健康保険協会理事長)は「家族による支援が困難という事案は、在宅困難な場合に限り重点化を図るという要介護3以上限定の趣旨と異なるのではないか」と指摘している。

◆居宅介護支援事業所の指定権限、平成30年に市町村に移譲
地域包括支援センターの機能強化については、地域の中で直営等の基幹となるセンターや機能強化型センターを位置づけるなど、センター間の役割分担・連携強化する方向性だ 。

居宅介護支援(ケアマネジメント)事業所指定権限の市町村への移譲と小規模型通所介護の地域密着型サービスへの移行については、ケアマネジメントは27~29年度を権限移譲の準備期間とし30年4月施行、小規模型通所介護は28年4月までに施行するとのスケジュールが示された 。

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