日付:2013/12/03  カテゴリ[事故・違反]  閲覧数[1544]

障害者事業行うNPO元理事長を詐欺容疑で逮捕 京都「支援センターやすらぎ」

京都府宇治市内の特定非営利活動法人「清和福祉会」(解散清算中)が運営する障害者福祉事業所「支援センターやすらぎ」における介護給付不正受給問題をめぐり、京都市など2市1町の自治体からの刑事告訴をうけて、京都府警察本部捜査2課と宇治警察署はこのほど、巨額の介護給付費をだまし取った疑いが強まったとしてNPO法人元理事長の石黒清美容疑者(58)=大津市皇子が丘2=を詐欺容疑で逮捕した。

2009年8月から10月にかけて、障害児ら利用者34人へ介護サービスをしたかのように装った虚偽の請求データを京都市・宇治市・久御山町に提出し、同法人名義の口座に障害者自立支援法(現・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)に基づく介護給付費計約927万円を不正請求したとされる。

同法人をめぐっては、平成18年に合同会社として介護サービスを始め、平成21年5月にNPO法人を設立。同年7月には居宅介護事業者として京都府の指定をうけて府内外の計6市町で介護事業を展開してきた。しかし、その直後の12月にはすでに京都府当局宛てに不正受給の内部告発もあった。同様の告発は宇治市にもあったという。

平成22年7月までに京都府も含めた関係自治体で情報交換。同年11月と12月の2回にわけて、府が清和福祉会を監査した際には、センター職員の出勤簿が本物と偽物の2種類発見されるなど不審な状況を確認していた。改善状況の再確認のため2年後の再監査の際にも業務改善が確認できなかったとして、昨年9月には障害福祉サービス事業者の指定が取り消された。そして今月1日には、被害に遭った京都市・宇治市など府内3自治体が詐欺罪(刑法第246条)の容疑で刑事告訴・告発していた。

これまで府が把握している分だけでも、府内7市町(城陽市・京田辺市など含む)を越えて奈良市など広域自治体で不正受給が発覚しており、その返還請求額は少なくとも5,040万円(加算金ふくむ)に上る見通し。府警などによると、不正受給した介護給付費はNPO法人の職員給与などセンター運営費に充てていたとみられる。その一方で、石黒容疑者は月額100万円以上の報酬を受け取っていたとされる。

石黒容疑者は府の聴取の時点でも「私的流用はない」としたうえで、不正受給については容疑を認め、「返還に応じたい」としていた。しかし京都市や宇治市など6市町が返還請求した計9,200万円のうち、返還された額は約2,400万円にとどまっている。返還額のいずれも預金の差し押さえなどで当局が強制的に回収したもの。つまり元理事長側から自主的に返還されたものはほとんどゼロだという。

府健康福祉部介護・地域福祉課の担当者は「今回のように制度上書類が整っていれば不正受給を見抜くことはなかなか難しい。京都市など各自治体とも情報交換をしながら対応していきたい」などコメントしている。

(ASTRA医療福祉研究グループ)


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