日付:2013/12/05  カテゴリ[厚労省・介護保険]  閲覧数[976]

社会福祉法人の法人全体の財務諸表全調査開示を 規制改革会議

規制改革会議(第21回 11/27)《内閣府》

■詳しくはこちらから■
第21回規制改革会議

内閣府は11月27日に、規制改革会議を開催した。

この日は、「介護・保育事業等における経営管理の強化」などが議題となった。

松山専門委員(規制改革会議健康・医療ワーキンググループ専門委員、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)が「社会福祉法人について」と題し、財務諸表の公開方法や内部留保に関して提言を行った。

松山専門委員は、社会福祉法人が1951年に発足して以来、60年以上にわたって財務データの集計が実施されていないと説明。市場規模や財務内容が不明のまま、公費投入や非課税優遇をしているのは不合理であると問題点を指摘した。

また厚生労働省による特養ホームの内部留保調査(5月21の介護給付費分科会記事参照)について、部門別財務データを集計・平均するだけでは社会福祉法人の実像は見えないと批判。本部会計に繰入れられた黒字資金を明らかにするため、特養部門の財務諸表ではなく法人全体の財務諸表から判断すべきとしている。さらに「現状維持志向」と「積極経営志向」の社会福祉法人が混在する現状では、単純な平均値で議論しても問題点と改善策を国民に説明できないと強調した。

また内部留保批判に対する反論の代表例として、(1)内部留保の大半は固定資産になっており拠出できる資金がない(2)将来施設を建て替えるときのために積立てている―の2つを取り上げ説明。

(1)については、毎期実現しているプラスのキャッシュフローから拠出すれば、既存の預金を取り崩すことにはならないと批判。

(2)については、運転資金の必要額を大きく超える純金融資産(金融資産-借入金)を保有する社会福祉法人が数多く存在し、国民のものである資金が滞留することは日本経済にとってマイナスであると反論した。

こうした社会貢献の意思のない社会福祉法人は非課税優遇の資格がないと松山専門委員は批判している。

改善策については、社会福祉法人の財務諸表の全調査開示が必要と強調。具体的な目的として、(i)法人全体の財務諸表の主要勘定項目の把握(ii)全体合計のほか都道府県別、主要業務別に分析し、業績、財務内容格差の有無など業界の構造分析(iii)模範的法人と非課税優遇に値しない法人の判別基準を作成(iv)社会福祉法人の規模拡大、経営効率化の具体的方法の探究―をすることをあげている。

調査の留意点として、国民に対して集計結果のみでなく個々の財務諸表を開示しなければ、社会貢献度の格差の実態がつかめないと指摘。また所轄官庁に財務諸表を提出する際、法人全体の財務諸表を含めていない社会福祉法人が多数あるため、法人全体の財務諸表の提出様式を統一することを求めている。

なお松山専門委員は、社会福祉法人の内部留保水準には理論的な最適値はなく、社会的な使命・役割を果たすため内部留保は大きいほどよいとしながらも、日本には年間事業支出を超える純金融資産を持つ業態まであり、経営能力が高くとも『内部留保を社会に還元する意思がない』と疑われる側面があると指摘し、データを示し解説した。

このほか会議では、厚生労働省が「社会福祉法人におけるガバナンス強化と透明性の確保」について報告し、社会福祉法人の財務諸表の公開の状況や厚労省の「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」の議論の経緯などが説明された。

この記事に関するコメントを見る、書く