
平成18年6月12日 開催
「介護福祉士のあり方及びその養成プロセスの見直しなどに関する検討会」まとめ
[更新:2006/07/5]
去る6月12日、介護福祉士の資格取得体系やキャリア形成などを話し合う検討会が行われました。検討会には井部俊子聖路加看護大学学長、京極高宣国立社会保障・人口問題研究所所長、対馬徳昭㈱ジャパンケアサービス社長や厚生労働省の中村社会・援護局長などが参加されています。
検討会では今後、介護福祉士を介護の基礎的資格に移行する方向性を踏まえて、資格取得の方法、教育カリキュラム、実習体制、キャリア形成などが話し合われました。
もっとも大きい改正は、専門学校などであれば免除されていた国家試験の受験が、すべての人に必要になったことです。これのことや教育カリキュラムの充実により、介護福祉士の質はより高くなるはずです。
将来の「基礎的資格」の難易度が増すことは、介護に携わる人が増えにくくなるのではという懸念はあります。しかし、実務経験がある人より学生が優遇される現体制は矛盾があるといえますし、難易度が上がることで専門職としての地位向上や待遇の改善ににつながるのではないでしょうか。
その他にも専門介護福祉士(仮称)の構想など、介護職員基礎研修に続いて踏み込んだ改正案が検討されています。その中身を見てみましょう。
※注 これらの内容はあくまで検討段階であり、決定事項ではありません。
■資格取得方法の改正■
すべてのルートにおいて、国家試験を受験しなければ資格取得ができなくなります。(「学校卒業=資格取得」であったものが「学校卒業=国家試験受験資格取得」となります)
●養成施設ルート(現状:専門学校などを卒業)
- カリキュラムの充実(現在2年制1650時間→1800時間)
- 国家試験の受験
- 実務試験免除
●実務経験ルート(現状:3年間の実務経験後、国家試験受験)
- 現行どおりの実務経験年数
- 一定の要請過程(「例えば6ヶ月以上の養成課程又は1年以上の通信課程」とある)
- 平成18年度から導入される介護職員基礎研修を終了したものについては、実務経験2年で国家試験受験資格を得る。
●福祉系高校ルート(現状:厚労省の指定するカリキュラムを履修する福祉系高校を卒業)
- 改正後の養成施設ルートと同等の教育を行う場合→卒業後国家試験受験資格を付与。実務試験は免除。
- 改正後の養成施設ルートのレベルに満たない福祉系高校(現状の専門教育時間は1190時間)→一定の実務経験(9ヶ月程度)を経て、受験資格取得
■教育内容の充実■
教育内容は3つの領域による構成とする。
●基礎科目:教養や倫理的態度
- 現行(120時間)より拡充する
- コミュニケーション技術を高める内容を含めるべき。
- 記録、記述の能力及びITなど情報処理技術
- 現行の基礎科目の教育内容はすべて各養成施設の任意となっているが、これに基本となる教育内容を指定する。
●こころとからだのしくみ:対人援助、他職種との協働に必要な基本的知識
- 新たにこの領域を位置づけ、医学、看護、リハビリテーション心理等のカリキュラムを編成。
- 予防から看取りまで、介福に求められている知識の拡大や、多職種協働に関する内容の教育を充実させる。
- 食事、入浴、排泄の「3大介護」だけではなく、認知症などに対応するために心理的、社会的ケアも重視する。
●介護:根拠に基づく適切な介護の提供に必要な知識
- 介護予防、利は、看取りまでを一貫して理解する。
- GHやユニットケア、小規模多機能型居宅介護などで単独で介護できるようにする。
●実習について
- 実習の時間は現行程度とするが、実習方法や教員のあり方、養成校の基準など、抜本的に見直す。
●実習を行う施設について
- 現在、1施設あたり5人までとされているが、人数制限を廃止、実習指導者を学生5名にごと1人を基本として増員していくことが考えられる。
- 実習に望ましい施設は、(1)介福が一定割合以上、(2)介護手順、基準の作成と活用を実施、(3)適正な記録の実行、(4)職員への継続研修の実施を行っているところが考えられる。
- 施設だけでなく、在宅の介護実習についてもバランスよく行うよう指導する。
■実施に向けた動き■
- 本年中に一定の取りまとめを目標に : カリキュラムは専門家などで構成する作業チームを設け検討する。
- 国家試験も内容見直し : 試験も新しい内容を反映させたものにする必要がある。その見直しについては、新しいカリキュラムなどが反映された後に取り組みを進める。
- 実施時期 : 「十分な準備期間を充てることが必要」との記述のみ。具体的な年度などは記述されていない。
■資格取得後のキャリア■
- 介護福祉士の国家資格は基礎的能力 : 介護福祉士の生涯を通じた能力開発への支援を行うことが求められる。
- 専門介護福祉士(仮称)の創設 : 認知症や人材マネジメントなどの分野でより専門的対応ができる人材の育成が必要。団体認定資格とすることが考えられる。
- 施設長、生活指導員の任用資格の新設 : 現状、社会福祉主事任用が基調とされているが、別個に見直しを行う。
- 休職者の再復帰支援 : 復帰に必要な再研修の場を設けていくことが考えられる。現状、介福資格取得者は53万人いるが、介護保険事業に従事しているのは21万9000人。介護に携わっていない介福のうち、49%が現場復帰したい、と答えている。
■介護福祉士の資格取得方法見直し案のイメージ■

※介護福祉士のあり方及びその養成プロセスの見直しなどに関する検討会資料より作成